女性から見た男性がカッコイイと思えるメンズ財布のブランドとは
財布は単にお金を入れておくだけのアイテムではなく、レストランや買い物で会計をするほんの数秒の間だけ目に触れる、まさに一瞬でそのひとを印象付けてしまう特殊なファッションアイテムです。特に男性は、常時バッグを持っている女性と違って普段は手ぶらなため、財布は女性にとってのバッグ以上の威力を発揮します。ここでは女性の目から見て、一緒にいる男性に持って欲しいメンズ財布のブランドを特集した女性誌の記事を集計してみました。女性目線で見るとメンス財布はかなり変わってきます。例えば、長財布をズボンの後ろポケットに差し込んで、財布のトップが見える状態で使っている男性がいますが、女性目線で見ると、あれは完全にNG。品が悪く感じられ、せっかくハイブランドのコットンパンツを履いていても、おしゃれを理解していない人に見えて気分台無しです。一緒にいるのも恥ずかしくなってしまいます。ここらへんが、日ごろからブランド物のバッグや財布の扱いに長けた女性の財布に対する肥えた目の価値観です。バッグと違って財布はいつも見せるものではなく、重要なシーンでさりげなく見せるのがあるべき財布の使い方です。
1位:ポールスミス
ポールスミスは財布だけでなく、女性にとって非常に人気の高い英国製のメンズブランドです。その理由は「清潔感」。ポールスミスと言うとネクタイやシャツを思い浮かべる方が多いと思いますが、日ごろブランドもののバッグや財布に触れている女性にとって、財布においてもポールスミスは、「清潔感のあるおしゃれなブランド」として高く評価されています。奇をてらったデザインではなく、あくまでも英国の伝統を守りながら、斬新なテイスト感じさせるため、大学生から30代の比較的、ブランド商品を持ち始める若い世代から絶大な支持を得ています。二つ折りの財布ではポールスミスのトレードマークとも言えるマルチストライプに思わずハッとさせられる女性が多いようです。ハイブランドアイテムが合わせにくいジーンズでもこの二つ折り財布はナチュラルにフィットします。価格的にも決して安くはありませんが、ハイブランドの財布としては高くないため、ブランドを見せつけるといった嫌味がありません。カジュアルからフォーマルまで万能に対応してくれる財布です。
価格帯:20,000~35,000円
2位:ルイヴィトン
財布の高級ブランドと言えば、シャネルかルイヴィトンを思い浮かべるでしょうが、メンズ財布では、シャネルはまったくと言っていいほど人気がありません。もちろんシャネルもラインナップとしてメンズ財布を持っているのですが、直営店ですら大型店舗でしか扱っていない不人気商品です。その理由は不必要な高級感。どうしても「オレ、金持ってるんだぜ!」的な下品さを感じてしまうのです。しかし、ルイヴィトンの財布はTPOを選ぶものの男性が使ってもそういったいやらしさが無く、セレブ感を感じさせます。この差は、その発祥にあるものと思われます。どちらもフランスのブランドですが、シャネルはココシャネルが女性のファッションブランドとして立ち上げた歴史があり、対するルイヴィトンは元々ファッションブランドではなく、トランクのメーカーとして始まり、1867年の万国博覧会でその品質が世界的に好評を得たことに始まり、エジプト総督のイスマーイール・パシャ、ロシアのニコライ2世、スペイン国王のアルフォンソ12世など世界の名だたる王族貴族からトランクの注文を受けるようになったことからその歴史が始まります。つまり、シャネルが女性ファッションであるのに対して、ルイヴィトンは性別の無いトランクの品質が起点になっているのです。この違いがルイヴィトンがメンズラインナップでも高い評価を受けている基盤であり、
ルイヴィトンの財布を持っている人=財布の品質を理解している人
というイメージ戦略が功を奏していると言えます。ルイヴィトンが2016年においてもメンズ財布のブランドとして高い人気を誇っているのは、メンズコレクションのチーフディレクターを務めるキム・ジョーンズの手腕によるものです。ルイヴィトンの財布は二つ折りではなく、長財布を選び、必ずジャケットの内ポケットに持つようにしてください。カードはゴールドかプラチナでVISA、Master Card、Amexをそれぞれ一枚ずつ、現金は最低でも万券で20万円は入っていないと不釣り合いになってしまいます。間違っても、どこかのポイント付きクレジットカードなどは入れないように。
価格帯:60、000~170,000円
3位:ココマイスター
1000年の歴史を誇る英国皮製品の伝統を頑なに守り続けながらも、日本の最高級職人が培った匠の技を織り込んだ国産ブランド。女性誌でも一般紙やカジュアル誌ではなく、玄人向けのファッション誌で高く評価されている日本が世界に誇るメンズ財布のブランドです。その人気はすさまじく、銀座の本店をはじめ、自由が丘、神戸、心斎橋、名古屋の店舗では、カバンなどの他のレザー製品は陳列されているものの、財布は常に売り切れ状態になっています。この点はエルメスのバーキンと同じ状態と言えばわかりやすいでしょう。
通販を行っている公式サイトでも、ほとんどが「職人製造中」となっておりなかなか手に入りません。これほど世界中の人を唸らせている特徴は皮。カタログの写真では伝わりにくいのですが、視界に入っただけで、思わず目が吸い込まれてしまいます。手に取った質感は同じ革製品として、明らかにルイヴィトンを上回る芳醇な上質感が味わえます。あらゆる製品で品質面においては世界の頂点に立つ日本の職人だからこそできる匠の技が光る逸品です。一切の妥協を許さず、世界最高級の皮だけを使用し、たっぷりと時間を掛けて他に比類ない上質感に仕上げています。英国の伝統のデザイン皮工芸品の技術に、日本の職人が持つ匠の技が上乗せされた財布、それがココマイスターです。その上質感は、周囲の目を引く吸引力では1位のポールスミスを上回ります。特に日ごろからブランド品のバッグや財布で目が肥えている女性には絶大な力を発揮します。伝統的なアンティークさとシックなモダンさを併せ持っているデザインのため、フォーマルからカジュアルまで守備範囲が広く、愛好者も20代~50代と幅広いのも特徴です。販売再開とともにすぐ売り切れてしまうため楽天やAmazonでは扱っておらず、直営店か公式サイトでしか手に入りません。実店舗で手に入れるのは至難の業なので、公式サイトをこまめにチェックして、お目当ての財布から「職人製造中」のサインが消えたらすぐにサイトから購入してしまうことでしょう。キーケースや名刺入れも有名で、カバンは30万円を超えるラインナップでエルメス並に高価ですが海外の愛好家も多いので手が届く方にはおすすめです。また、国産なので高額な輸入関税がかからないのもうれしいポイントです。
価格帯:24,000~120,000円
4位:ボッテガ・ヴェネタ
財布のブランドとして意外と認知度が低いのがボッテガ・ヴェネタの不思議なのですが、もともと中性的な立ち位置にいるため、財布ではレディースよりもメンズの方で人気が高いようです。世界の3大ファッション大国と言えば、フランス、イタリア、イギリス。その中で、ボッテガ・ヴェネタはイタリアでもまだ新しい部類に入る若い人を中心に人気のあるのブランドです。ボッテガ・ヴェネタは、「皮の編み込み技術=デザイン」となっている珍しいブランドです。一見、どこにでもありそうな編み込みですが、一度見たら口では表現できない特徴を覚えてしまうのは、手作りにこだわり続けたイタリアの職人だからこそ成し得た黄金比と言えます。皮財布としては珍しく、二つ折りの方が皮の光沢が映えるデザインになっています。しかし、尻ポケットに入れてしまうと型崩れしてしまうので、やはりジャケットやパーカーで使うのがおすすめです。あくまで普段着レベルで使うのがおしゃれな使い方なので、ちょっとした外出用にするのがベスト。カードを入れ過ぎてパンパンに膨らませてしまうと、もともとが厚手の財布なためブタ財布になるのでご用心!
価格帯:37,000~127,000円
5位:ブルガリ
ブルガリは他のファッションブランドと異なり、バッグや財布ではなく、ジュエリーや時計を主体としたイタリアの宝飾店です。このため、コアなファンは多いものの、ファッションという観点では他のブランドとはまったく異なるため、高級ブランドでありながらも、エルメス、シャネル、ルイヴィトンと比較されることがほとんどありません。BVLGARIのロゴが持つ高級イメージは強力なものがありますが、ホームページを見ればわかるように指輪がメインになっています。日本の直営店でも、扱っているのはリングと時計だけで、バッグや財布はほとんど置いていません。しかしながら、宝石で培われた審美眼は群を抜くものがあり、とにかく素材の品質の高さでは他のブランドの追随を許さない面が、ブルガリが宝飾品以外のラインナップでも成功している要因と言えます。財布においても、その品質の高さが際立っているのですが、レディースと違いメンズでは不評を買ってしまっている大きな欠点があります。それはブルガリの象徴とも言えるエンブレムです。女性の場合、財布はバッグから出すので、このエンブレムは問題にならないのですが、男性の場合、財布はポケットから抜き出すため、このエンブレムがポケットの布地に引っかかってしまい、ポケットの布地がほつれてしまうだけでなく、エンブレムがとれてしまうのです。ブルガリの財布は、モノをかなり丁寧に扱う人でないと、財布も服も傷めてしまうので、扱いに自信がある方だけのおすすめ品と言えます。
6位:ダンヒル
かつて、財布だけでなく、ライターやバッグ、ラグジュアリーなウエアなど、メンズブランドと言えばダンヒルと世界中に言わしめた英国の名門ブランドです。しかしアルマーニの登場で業界は一変し、今ではバーバリーと同様、古めかしさを感じさせる存在になってしまいました。日本においても、バーバリー同様、お医者さんなどのお金持ち御用達ブランドでしたが、現在では、どうしても昭和の響きが拭い去れません。また、優秀なデザイナーを排出できなかったために、生き残る上で低価格路線に走らざるを得なくなり、500円のハンカチを売り出すなど、かつての高級感は薄れる一方にあります。それでもメンズファッションブランドの草分け的存在としてのネームバリューは今でも残っており、ダンヒルの名を知らない人はいないでしょう。現在、日本に独立した建物としての直営店は存在せず、デパートの紳士用品売り場での販売のみになっています。手に取るとわかるのですが、コスト重視の素材で、職人の手作りでもない、量産品特有の質感です。値段も中途半端に高いので、あまりおすすめできる財布とは言えないというのが女性誌での評価です。イトーヨーカドーでも販売されています。
7位:プラダ
仕事に恋に頑張る女性を描いた映画『プラダを着た悪魔』の世界的ヒットで、一躍スターダムにのし上がったイタリアのブランドプラダ。光沢のある近未来感と躍動感は現在もファン層を拡大し続けています。プラダの素晴らしいところは挑戦し続けるスタイルです。代名詞とも言えるエンブレム付きの黒のバッグとはかけ離れた、印刷ロゴの中間色や、一歩間違えると中高生でも持ちそうなイエローのキャンバス地にまで手を伸ばし、そのすべてで成功させています。メンズ財布においては写真のように、いわゆるプラダが欲しい人向けにエンブレム付きのシャイニングブラックを持ちながらも、下の写真のように、男性はポケットから財布を抜き差しして使う上でエンブレムは使いづらいとして、型押しのロゴに留めた財布まで取り揃えています。この他にも男性にしか向かないサファリ柄など、メンズのラインナップにおいても挑戦的なデザインを次々に発売しており、「プラダは新しい」というブランドの鮮度を保つ戦略が確実に成功しています。この点は、若年層向けのカジュアルブランド「ミュウミュウ」を展開していることからフィードバックさる強みと言えます。レディースがメインのハイブランドでありながら、プラダの財布はメンズでも若い力強さを感じさせます。価格は若干高めの設定になっています。
8位:グッチ
もともとグッチはイヴ・サンローランやセリーヌといったファッション創世記の正統派名門ブランドでしたが、ライバルたちが新興ブランドに追い越されていく中、大きく方向性を転換して生き残りに成功したイタリアのブランドです。現在でもかつての清楚なラインナップも取り揃えていますが、ギラついたゴージャス感を前面にした商品がメインになっています。このため日本では、セレブの愛好者も多いものの、チョイ悪系の中年層や、ギャング系の若年層にも人気があり、そのゴージャスさは年齢的にも階層的にも幅広く受け入れられています。ギャング系できめるならウォレットチェーンが必需品のようですが、女性から見るとちょっときつすぎるので、クロムハーツのような使い方は控えて欲しいものです。30代の男性だと遊び慣れてるイメージを受けるので、使い方を間違えると避けられてしまうのでご用心。その反面、おしゃれで、いつまでも若いパパを演出するなら効果的でしょう。ビジネスシーンにはちょっと不向き。メインで使うよりも、2つ目の財布として持つのが正解でしょう。財布はゴールドの化粧箱に入っているうえ、同じくゴールドのワランティーカードもついてくるので、ゴージャスさで見るなら群を抜いている財布と言えます。その分、価格も高めですが。
9位:コーチ
プロパーでも大幅なディスカウントをすることで知られるコーチ。直営のアウトレットショップも多く、一般の学生や主婦でも手が届く手ごろな値段で、デザイン、品質ともに優れていることで人気です。メンズ財布もレディース向けの流用ではなく、男性向けのデザインが豊富に揃っています。コーチはニューヨークに革小物工房として誕生したアメリカのブランドです。ハードロックフェスやアーミッシュの村として有名なレディングに大きなアウトレットビルを構え、米国内だけでなくカナダなどからも、買い物ツアーのバスが乗り付けるほどの人気ぶりです。日本では「本当はヴィトンが欲しいんだけど、まだちょっと控えておこうかな」といった堅実派向けの位置づけになっていますが、元が革小物工房なので、品質面でもデザイン面でもヴィトンに劣るものではありません。あえて言うなら、ディスカウントやアウトレットを多用したことで、高価なイメージが無くなっていると言ったところでしょう。クロムハーツ同様、アメリカ製らしさとも言える丈夫さがあります。ジーンズの後ろポケットに入れていても型崩れしにくい作りになっています。もっとも、繰り返しになりますが、後ろポケットに差し込んでトップがはみ出すような財布の使い方は、女性の目からは好感度が低くなるので避けるべきです。下記の価格帯は公式での定価です。実際はディスカウントセールやアウトレットでかなり安くなるので、参考レベルで見てください。
価格帯:17,000~42,000円
10位:カルバン・クライン
続く10位のカルバン・クラインもアメリカのブランドです。決して悪くは無いのですが、アメリカという国自体がまだ300年ほどの歴史しか無いため、伝統という点ではフランス、イタリア、イギリスにどうしてもかないません。また、貧富の差が激しく、富裕層は高価な欧州ブランドの財布を購入するため、低所得者層をターゲットにせざるを得ないため、高度な職人を使うことができず、カルバン・クラインの場合、エジプト、ベトナム、タイ、中国、カンボジア、イスラエル、スリランカなど安い労働力が使える国で生産されています。このため、「これ、買ったけど、”Made In China”になってるから偽物じゃない!返品するからお金返して!」という問題が後を絶ちません。もちろん、それは本物です。ただ、どこでも作れるようにマニュアル化が可能なデザインと製造工程となっているため、高級感はほとんどありません。メンズ財布のブランドとしても、この10位のカルバン・クラインがギリギリの線でしょう。日本向けにはプロパーの公式サイトすらなく、オンワードの通販サイトが公式とされている状況です。
●まとめ
いかがでしたでしょう。この後のランキングは、11位:ポーター、12位:バーバリー、13位:カルティエ、14位:ホワイトハウスコックス、15位:クロムハーツ、16位:ドルチェ&ガッバーナ、17位:ディーゼル、18位:ヴィヴィアン・ウエストウッド、19位:イルビゾンテ、20位:タケオ・キクチ、となっています。
男性には絶大な人気を誇るクロムハーツの財布は、女性目線で見るとあのゴツさが受け入れられないのです。ドルチェ&ガッバーナも同様ですね。
メンズ財布は「女性に見せるためのアイテム」であることを考えてブランドを見直してみると、かなり違うことがおわかりになったかと思います。
今回の集計結果では上記のようなトップ10になりましたが、定期的に女性誌のデータを集計して更新しますので、財布を購入する予定のある方は、このページをブックマークしておくと、最新情報を得るのに便利かと思います。
今回の結果をまとめると
- 爽やかな清潔感を演出するならポール・スミスの財布
- セレブ感を出したいならルイヴィトンの財布
- 本物志向を感じさせたいならココマイスターの財布
と言うことになります。
是非、ご参考に!
コメントは受け付けていません。